空と海、野菜と魚など、普段は共存できないはずの世界のもの同士が、同じ世界で過ごせる「やさしい」世界を表現しています。魚であったり、野菜であったりと、「生きている姿」はそのもの自身の個性ともなり得るが、その姿により生き方が限定されてしまうこともあります。例えば、小さなお魚たちはいつも大きな魚に狙われていて、警戒していなければなりません。大きなお魚は、生きていくために小さなお魚を食べるため殺さなければなりません。
でもせめて絵の中では、生きている姿に囚われないで過ごすことがあって良いのではないか。つまり、私の作品に飛び込んだ瞬間、生き物たちは「生きる」「死ぬ」といった生の使命に縛られることなく、今まで相容れなかったもの同士が同じ場所にいられ、好きな形でそこに存在できるのです。
また、それぞれの生き物の外見的特徴や習性から発想することで、作品を通して、私たちの考え方や生き方、過ごし方への新たな発見を得られます。
表層はイラストの風をしていますが、制作プロセスは、抽象画に近いものがあります。
色は実際の色味に近づかないようにしており、固定観念を取っ払う意味があります。繰り返された箇所の配色は、1箇所だけパターンを変更して規則性を崩すことがあります。
子ども性(遊び心や描かれる対象への観察力)と大人性(抽象画の制作プロセス)が入り混じる作品です。
出展情報はありません。
名称未設定